【 配置手法 中庭を囲う 】
中之郷アパートの三階建6棟は, 店舗付三階建の［ハ号］タイプ, 三階建I型の［イ
号］タイプ, それに三階建凹型の［ロ号］タイプに分類される。曳舟川沿いのメイ
ン通りに面して, 店舗付三階建の［ハ型］タイプを直線状に2棟を配置し, 近隣住
人と共に買い物の便宜を計る。その背後に, 三階建凹型の［ロ号］タイプを東西
に2棟配置することで, 児童遊園を備えたかなり閉鎖性の強い中庭を作り出して
いる。
中之郷アパート配置図
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すまい＆町並み 今昔物語
第二章 同潤会アパートへの旅
(02-03) 東京江東 中之郷アパート
写真・解説 並木克敏
■ 東京江東 中之郷アパート ■
【 同潤会 最初の鉄筋コンクリートアパート 】
中之郷アパートは, 同潤会が設計した最初の鉄筋コンクリートのアパートメント
である。曳舟川 (現在は北側の大通り) が流れる川沿いの, 3,857㎡の敷地に三
階建6棟が建設された。設計に際しては, 東大の内田祥三研究室の岸田日出刀
氏が関与していたと云う。中之郷アパートは, 当時の入居者側の伝統的な住み
方への執着と, 設計サイドによる耐震耐火構造への信頼との間に, 同潤会が下
した一つの回答ということができる。
【 概要 】
所在地 墨田区押上2-2
旧 東京市本所区中之郷町
建設時期 1925-1926
面積 敷地面積3,857㎡ 建築面積1,220㎡
規模 コンクリート造り 三階建6棟
戸数 世帯向き91戸 店舗向10戸
付帯施設 娯楽室
■ 東京江東 中之郷アパート写真集 ■
店舗付三階建［ハ号］タイプ
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| 中之郷アパート大通り 北側ファサード １９69年頃撮影 |
店舗付三階建の［ハ号］タイプ
一階平面 (店舗・四帖半・三帖) 二・三階平面 (六帖・三帖)
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| 中庭 西棟側を見る | 中庭 東棟側を見る |
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| コンクリートの躯体と木製サッシュ | 水平に伸びる軒とベランダ |
建築雑誌に掲載のスケッチ (上の配置図とは方位が逆)
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